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邦楽ホール

緞帳

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地元友禅作家が一筆一筆真心を込めて描きあげたこの原画は、爽やかな風を感じさせ、あたかも庭を眺めているようなゆったりとした気分を味わわせてくれます。舞台の余韻にひたる幕間のひととき、雰囲気を損なうことなく、観る人の心を和ませ浄めてくれるようにとの願いを込めて描かれました。モチーフの松は古来より“常盤木”と称されるように、常に緑をたたえ永久不変の象徴とされる吉祥文様のひとつです。また、画面右下にはつつじを配して彩りを添え、適度な華やかさを与えています。緞帳本品については、繊細な印象を与える“ぼかし”や“虫くい”など加賀友禅の技法を駆使するとともに、伝統の技を活かして巧緻に仕上げました。
手描き加賀友禅としてはこれまでにない最大級の作品であるこの緞帳は、石川県立音楽堂邦楽ホールの舞台を飾るにふさわしい仕上がりになっていると言えるでしょう。

 

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日本の美的感覚と感受性を育んできた四季。「ひわ茶地型紙花模様散縫箔」からそれぞれの季節を彩る花を選び、構成することによって、四季の美しさを表現しました。
そこに配されたのは、吉祥花の代表とされ、また太陽の恵みを象徴する菊が重なった「菊重模様」。この「菊重模様」はその形から青海波を連想させます。青海波は水波紋を起源に持ち、水波は波また潮であると言えます。潮は朝に通じ、朝日と同じく吉祥の生ずるところを表します。このように素材、そして素材構成の両方が吉祥の意を持つ「菊重模様」は、誠に縁起の良い模様であると言えるでしょう。
移り変わる日本の四季と、吉祥花である菊の重なりにきらびやかな美しさを表し、また、波を思わせる地模様に波紋が広がるかのごとく、石川県立音楽堂から発信された文化芸術が世界へと伝播していってほしいとの願いを込めた、秀逸な緞帳です。

© 2015 ISHIKAWA ONGAKUDO